原発の話

今思うとぞっとするような話だが、鳩山民主党政権時代は54基ある原発を、将来は80基くらいに持っていこうという計画すらあったのも事実である。福島第一原発事故以来、原発の新設も国内では困難になってきたのが現状である。昨日、人口500万人規模であるフィンランド原発の現状がTVで紹介されていた。


ただただ残念なのは、日本は原発先進国といいながら、万一の事故に対する備えや使用済み燃料の保管や廃棄物処理の計画すら、国民には安全神話ばかり聞かせて、受け入れ地区は補助金漬けにし、政治は何も広く国民に明らかにしてこなかった。放射能の恐ろしさを事故をきっかけに初めて公開されたのも最近である。


歴代の政権を選挙で選んできた国民にも責任はあるが、これまで詳しい話はあの事故が起きて大混乱を招くまで、国民には何も知らされてこなかったことも事実である。フィンランドのような小さな国家がどのように国民を説得してきたかを日本の政治家も官僚も他国に学んで勉強してほしいと思う。

歳月人を待たず

3月上旬まで、私の自宅近くの病院に入院されていた取引先の元取締役の方が5日前に急逝された。長い闘病生活と闘われていたが遂に帰らぬ人となられた。昨年の年末に倒れられて入院されているとの風の噂を聞いて、2月上旬に以前から通院させていた病院をこっそり訪ね、入院されていることが判明したので思いがけもない再会となったので大変喜んでいただけた。


それから2週間後の2月16日(土)に再度見舞いに訪れたが、前回と違いだいぶ話されるようになっていた。ご本人は入院していても回復のめどはないし仕方がないので、3月上旬には退院しようという考えを聞いていた。医者の許可がなければ無理だろうとその時は聞き流していたが、昨日病院を訪問して本当に退院されていたことがわかった。


おそらく自宅療養されているのだろうと、お聞きしていた携帯番号に電話したら留守電になっていた。そのうちに連絡があるだろうと思っていたら、5分後くらいに息子さんの声で、5日前に他界されたとの連絡を受けた。葬式も無事終わったところだと言われた後に、「生前に大変お世話になったとのことを父が話していました」との伝言を告げられた。


伝言のことが確かかどうかは分からないが、最後にお会いしてちょうどひと月であるが、近くの柏尾川の桜もまだ蕾でお話をしようと思っていた矢先であった。もう少し長く生きていていただけたら、川沿いの満開の桜並木の写真をお見せすることが出来たのに大変残念である。現役時代にはよくご覧らんになっていた桜並木だったのである。ご冥福をお祈りしたい。

傾聴の効用

たまたまなのですが、最近、著名で元気な女性のお話を聞く機会が増えています。今年の2月以降では、流通業界の女性創業者、オリンピックマラソン競技の銀メダリスト、著名コンサルタント、有名女優の4人が大変話を聞いて印象的でした。男性の話もよくあちこちで聴かせていただいていますが、昨今の女性リーダーが自らの人生哲学を披露しながらの力強いスピーチは、今の日本人に元気さえも与えてくれているような響きがあります。


仕事柄、様々な人の講演や勉強会を幅広く参加できていることに私自身大変感謝していますが、ファクターを是非多くの皆さんにもご披露できたらと考えております。かつてはビジネス書も多読していましたが、やはり現実の経営で様々な失敗を経験しないと、いろんな経営書の著者の考えが自らの心にあまり浸透しないことがわかります。口下手の私は人前でしゃべるのはあまり好きではありませんが、文章に考えを示すことは大好きな方です。


このブログも8年間書き続けていますが、話したいことを不特定多数の方に向けて自由に文章で語れることは私にとりひとつの趣味でもあります。でも女性リーダーの話のうまさには、つい聴き惚れてしまいます。しかし、多くの人の話や文章を私なりにたくさん読んできたことが、日頃の文章書きのネタづくりに助力しているように思います。若い人にもなるべく多くの人の講演や話、書かれた文章や記事を読まれることを、人間的にバランス感覚を身につけるうえでお勧めします。

一足先に花見

週末、一足先に花見見物のために神奈川県の松田町を訪ねました。東海道線国府津駅御殿場線に乗り換えて4つ目の松田駅で下車したところ、前方には山一面に桜と思われる視界が広がりました。大勢の観光客とシャトルバスに乗って紅一色の桜が群生している小山へ登りましたところ、さらにびっくりするほど大勢の来客が所狭しと桜見物をしていました。


こちらの桜の種類も河津桜と言うそうで、有名な観光地である伊豆の河津さくらと同じ品種です。快晴で日差しも強く春と思えないような絶好の日和でしたが、花粉の飛来が多かったのか帰宅後の夜はクシャミが止まらなくて困りました。翌朝も仕事の予定がありましたので、薬で明朝は何とか快調になりましたが、花粉症気味の人はこの時期に山の散策は十分気をつけたほうが良さそうです。

為替と株

今月の後半には新日銀総裁が登場することになる。日銀による金融政策の不手際なのか政府が成長戦略を描けなかったのか、円高・株安でよく日本経済は耐えてきたな、というのが率直の感想である。GDP500兆円の日本経済が長期に亘りゼロ成長を続けてきた間に、新興国は高度経済成長を歩んできた。新興国の成長はこれからも続くと見られている。新興国の追い上げに対して日本がどのような進路の舵をとるのかが政治的な課題でもある。


一方の日本は、リーマンショック東日本大震災、欧州通貨危機と近年、内憂外患のしわ寄せを受けながら円高・株安の不況下を、国民が何とかして努力で凌いでいるようである。但し、このままだと経済の空洞化は避けられず失業率は高まる一方の上、貿易収支も改善されず、貧国の道を辿らざるを得ない状況に陥るかもしれない。政権交代で劇的に経済が上向くわけではないが、円安・株高の勢いが心理的に活気付く方へ大きく変わりつつあるのは否定できない。


新政権の課題は内外ともに山積しているが、今以上に外交面や経済面で日本が悪化しないことを期待するばかりである。そのためにも為替と株がどのように推移するかは、今後の日本経済にとっても大変重要な問題である。

コンパクトシティ

被災地復興の街づくりにおいて「コンパクトシティ」をつくろうという機運が高まっています。素晴らしい構想が練られることを期待したいと思います。日頃、「小さな村 イタリア」というテレビ番組を毎回欠かさず観ていますが、いつもイタリア地方のコンパクト村の良さを痛感しています。日本にもこんな街づくりが存在すれば老後にもいいのに、と思っていた矢先に日本でも「コンパクトシティ」構想が立ち上がりつつあるということを聞いて少し安心しています。


火事になったらどうするの?というご心配を抱かれる方も多いと思います。確かにイタリヤのコンパクト村はほとんどの家が石造りです。火事になっても延焼は防げるでしょうが、日本の木造家屋の場合には火事の心配があります。防災は街づくりにおいて必須の課題でもあります。火事の延焼に対して完璧ともいえる防火対策が必要ですが、その天もしっかりとした構想を立てて街づくりを勧めていただきたいと思います。


イタリアの地方の村はコンパクトな設計につくられていますが、かつては外敵から村民の身を守るために考えられた造りのようです。現在は高齢者の居住が中心ですが、村人の生活のあらゆる面の連携が取れているのに驚きます。一方で日本の地方へ行くと散村といいますか、ポツリポツリとした家の存在が多いのが現実です。行政効率や生活面の効率が悪いのが、現代の高齢化社会になって初めて気がつきます。