為替と株

今月の後半には新日銀総裁が登場することになる。日銀による金融政策の不手際なのか政府が成長戦略を描けなかったのか、円高・株安でよく日本経済は耐えてきたな、というのが率直の感想である。GDP500兆円の日本経済が長期に亘りゼロ成長を続けてきた間に、新興国は高度経済成長を歩んできた。新興国の成長はこれからも続くと見られている。新興国の追い上げに対して日本がどのような進路の舵をとるのかが政治的な課題でもある。


一方の日本は、リーマンショック東日本大震災、欧州通貨危機と近年、内憂外患のしわ寄せを受けながら円高・株安の不況下を、国民が何とかして努力で凌いでいるようである。但し、このままだと経済の空洞化は避けられず失業率は高まる一方の上、貿易収支も改善されず、貧国の道を辿らざるを得ない状況に陥るかもしれない。政権交代で劇的に経済が上向くわけではないが、円安・株高の勢いが心理的に活気付く方へ大きく変わりつつあるのは否定できない。


新政権の課題は内外ともに山積しているが、今以上に外交面や経済面で日本が悪化しないことを期待するばかりである。そのためにも為替と株がどのように推移するかは、今後の日本経済にとっても大変重要な問題である。