司法の英断

昨日の広島高裁の衆院選無効判決は、主文からしても画期的なものだった。なるほどと唸るような気持が私自身も沸いてきた。三権分立における司法の独立性を示した勇気ある判決だったと思う。最高裁の判決をも軽んじて、長年に亘り政治家が選挙制度においてサボタージュしてきたことへの強制的判断が示されたものだといえる。


国民主権と言いながら、政治家は大多数の国民の意向に沿わないような政策を強権で執行することもある。違憲立法審査権は司法に与えられた国民の訴えに唯一応えられる権利でもある。選挙制度に対して判断するのは司法の役目ではないと、随分前に首相経験のあるベテラン政治家がメディアに語ったことがあるが全く論外だと思った。


新政権になって順風満風のように見られているが、謙虚な姿勢で反省の上に立って、期限付きで選挙制度が論じられて結論が出されないと、次期選挙でしっぺ返しを招かないとも限らないだろう。何度か話したことがあるけども、政治家は我田引水の商売の上手い政治屋ではいけないと思う。