業界の様変わり

皆さんと同様に30年以上にわたりIT業界で企業を経営していると、鴨長明の「方丈記」のように世が移り行く様を感じてしまう。昨日は、20年くらい前にIT勉強会で共に切磋琢磨してきた方々とのOB会へ久し振りに参加した。テレビ局系のIT会社元取締役の方を除けばほとんどが現役のオーナー経営者であるが、私などはまだ10歳くらい下で皆同業界の大先輩経営者の方ばかりである。


会社の規模も数百名の会社が中心であるが、今の時代は過去と違って、会社の規模の大小で評価されることはあり得ないというのが一致した考えである。知的産業なので当然であるが、肝心なのは各企業の抱える人財の中身である。ある会社は社員の過半数PMPを所持しており、日本で7社しかないCMMIレベル5の取得企業である。普通の独立系企業でも企業間の総合レベルには雲泥の差がある。


優れた同業者とレベル的に肩を並べることは難しいが、刺激を受けて自らも努力しなければ、彼らの背中は遠ざかるばかりであろう。もうひとつ、これからはIT系の大企業に入っても余程技術力をつけなければ、35歳過ぎて転職しても世の中で受け入れる企業はどこもないということである。むしろ中小企業で、大手と勝負しても負けない即戦力を磨いたほうがいいと考える。やる気と上昇志向があり、時代の危機感を有した若い技術者にエールを送りたい。