血筋について

「血は争(あらそ)えない」と昔から言われるが、次期韓国の大統領は朴元大統領の長女朴氏が就任することに決まった。突如に踏み切ったわが国の総選挙にばかりに気をとられていたが、隣国の韓国では大統領予備選挙をはじめ、随分前から着々と大統領候補選びが進められ、昨日、漸く国民の直接投票による決選投票が行われた。


日本では朴(パク)をボクと以前は読んでいたが、父親がパク・チョンヒ元大統領で、長女である今度の女性大統領がパク・クンヘという名の方のようである。勉強不足で、次期大統領について存じ上げないが、現大統領と同じ保守系与党セヌリ党初の女性候補として立候補し、今回、終盤逆転の僅差で勝利を収めた。


偉大な父親の朴大統領に対するイメージが私たちには今も残っているので、「血は争(あらそ)えない」という意味からもそれなりの方であろうと推測する。父親の朴氏が大統領に就任したのが東京オリンピックの前年1963年なので随分前になるが、長期政権で日韓関係を緊密にした立役者だったことを記憶している。


その娘であり、父親の大統領時代から国民に知られた人でもある。比較すると失礼かもしれないが、日本で言えば田中角栄氏と真紀子氏のような瓜二つの父娘関係である。著名な方に関わらず、一般の誰しもが自分の血筋を気にするところだが、「血は争(あらそ)えない」という謂れは政治の世界においても無視できないところである。


アメリカ国民が黒人大統領を選出したり、韓国では女性大統領が誕生するなどオープンな国民性を感じるが、わが国日本だけがいまいち世界の潮流に取り残されているような気がするのは自分だけだろうか。もっと女性が活躍できる場(政治・経済)をつくらないと益々後進国になりかねないと思う。