命について

私ら世代になると、体調管理のために何らかの薬を服用している人が多くなっている。確かに病院へ行くと中年以上の方が目に付く。人間なかなか日頃から健康管理をしっかり行っているかというと、そうでもない。定期的な健康診断でも不審に思われる心配な箇所が見つかったときには要注意である。誰しもそうだが、病院に掛かることは滅多にないので、億劫になるものである。死亡原因の3人に1人はガンだというから、周囲のためにも自分自身が注意しなければならない。


病は年齢にはあまり関係がない。若くして発病する人もいれば、病もなく天寿を全うする人ありで、人それぞれである。歌舞伎役者の中村勘三郎さんも57歳という若さでありながらガンに倒れてしまった。たまたま食道ガンの摘出手術の数日前のインタビューの様子をTVで拝見したが、生と死と狭間がこんなにもはかないものだというのを感じた。だから自殺する人が、なぜ大事な命を容易に粗末にするのか理解に苦しむ。


どんなに辛いことがあっても、生きていれば何とか事は収まる。しかし、世の中には人に金銭的に大きな迷惑を掛けて、深く責任感じて自ら死を選ぶ人が多い。でも(騙すつもりはないが結果的に)騙す人も悪いが、騙される人も悪いので、喧嘩両成敗だと考えて潔く諦めなければならない。取り返しがつかない失敗に嵌ることなど、生きている限り一度や二度は経験するものである。苦い経験で人は成長して精神的にも思考的にも人間は賢くなるのである。


だから、むやみやたらに大事な自分の命を粗末にしてはならないと思う。健康管理が重要なのも、人間は生身だから、日頃から予防やメンテナンスをしていないと何が起きるか想像がつかないということである。生きてさえいたら楽しいことは無尽蔵にあるし、人に尽くすことも、人と喜びを共にすることもできる。周囲の方のためにも長生きできるように、健康を一番大切にしなければならない、と思う。