歴史教育

日中関係、日韓関係が政治的に領土問題で冷え込んだままですが、そもそも歴史教育を日本は学校教育で詳細に教えてきたのでしょうか。数日前のある新聞のコラムに、インドネシアを取材した記者の記事が掲載されていました。太平洋戦争中に旧日本軍が、反日運動を抑えるために多くのインドネシア人を殺したとのことです。当時の子孫は今の日本人に対して、過去は忘れないで欲しいが、お互いに前向きに将来を見つめて協力しましょう、というような内容だったと思います。


中国にも韓国にも反日感情が根強いのは、戦後の日本が歴史教育を怠ってきたからだと思うのです。私たちは旧日本軍は東南アジアに進出したことは学校で教えられましたが、周辺国を占領して旧日本軍によってどんな酷いことが行われたのかの真相は闇に葬られて、私たち日本人には歴史教育として詳細には教えられてきていません。私自身もテレビで報道された戦時中の特集番組を録画していますが、私を含めて日本人には戦争犯罪に対する意識というものは、子どもの頃からあまり教えられて心の中に存在していないのではないでしょうか。


中国や韓国において、日本は歴史認識が無いと非難されているのも、日本人自身が先の戦争を戦後処理として総括してこなかったからではないでしょうか。多くの東南アジアの人たちは日本人に過去のことを忘れないでほしいと、非難するのではなく、これから未来に向かって仲良くしようと親日的な態度を取っているということを日本人は理解しなければならない、と記者は取材を通して訴えていたように思いました。


戦後65年も経ちましたが、今後ASEAN諸国との交易をさらに活発化する前に、もう一度我々は戦争の歴史を探訪すべきではないかと考える次第です。今までの歴史教育は日本の犯罪について割愛し過ぎてきた感があります。歴史の真実を双方に語り合い、お互いの国民が知ることは、周辺国と付き合う上でも大切なことだと思うのです。中国の愛国教育を日本は問題視していますが、日本ももっと歴史教育を低学年からしっかり行うべきというのが私の意見です。