鎹(かすがい)

子どもを育て、子どもが成長して成人になるのは遅いようで実は意外に早い。しかし、精神年齢的にどこまで成長を遂げているか、親との比較ではどうかというと、まだまだ子どもは子どもである。しかし時には、親子間で言い争いも生じることがある。大体、お互いに体調が不良で、日々のストレスが溜まっているときにお互いの口喧嘩も発生するようである。


夫婦間もまったくトラブルなしで人生を過ごすことはないので、若い夫婦の頃など「子は鎹(かすがい)」と子どものことを主に考えるとお互いにわがままばかり言えず、トラブルも次第に収まってくるのである。親子間にも同様の事が言えるみたいである。親子同士の言い争いが生じたときには、配偶者のどちらかが中立の立場でいなければならない。特に子どもが思春期の頃やそれなりに成長して社会人ともなると、中間に立つときには良識が問われる。


一人っ子より二人がいいと思われるのは、トラブルが起きても兄弟や姉妹の間に逃げ道があり、良き相談相手になれるからである。離婚や親子断絶がささやかれる時代であるが、家族間の日々の思いやりの積み重ねがとても大事なことだと思う。覆水がやるべく早く元に戻ることは必ずしも容易なことではないが、我慢強く元の鞘になるべく早く戻す努力が必要である。