目標とビジョン

若い頃から経営の心を学ぶために、松下幸之助氏や稲盛和夫氏の書籍を数多く読んだことがある。経営哲学に基づいた経営の鉄則は、企業の大小にはまったく関係なく通用する考えだと思う。政治も経営と同じで国民を良き方向へ導き、国民の幸福を追求しなければならないが、今の時代を見ると国民は霧の中に包まれて行き先が見えず方向を見失っているかのようにも映る。


未だ未成熟な政治でも、優秀な経済人が日本経済を支えているから日本は先進国として世界の中で存在することができるのである。たまたま世界経営者会議が日本で開催されているが、稲盛和夫氏の言わんとする「目標とビジョン」について政治家たちはもっと教えを請わなければならないだろう。個人も家庭も企業も国家も、目指すべき目標とビジョンを掲げて生きなければ遣り甲斐も幸福感も味わえないはずである。


ましてや混迷を極める時代において政治は、高い目標とビジョンを掲げて強いリーダーシップで国家を導いていかなければならない。しかし、現実の政治を見ていると、政局闘争ばかりで、世界的な危機感や国民を安心させる指導力が発揮されている風にはとても感じられない。ただ政治に期待しても長年期待はずればかりなので、わたしたち経済人が一生懸命成長のために「目標とビジョン」を掲げて踏ん張るしかないと思う。