還暦の女(ひと)

普段、相も変らぬ妻と暮らしていますと、女性は淑やかだなと勝手に決めつけたりしますが、久々の同窓会で二晩を友と一緒に過ごしますと、還暦という人生の転換期が男女の区別までつかなくなってしまう印象を覚えます。まるでアマゾネスに捕らわれたような雰囲気まで味わうこともあるわけです。一晩、男女同じ部屋で飲みましたが、還暦女性の堂々とした貫禄には男性を上回るものを感じました。まるでテレビを観ているより、そんな女性の本性のほうが大変興味深く、世相を反映している印象を受けました。


人はそれぞれ結婚し、子育てを終わり、孫もできて、比較的自分の時間が自由になると、漸く本性が出るような気がしました。男女雇用均等法が成立してから日が経ちますが、日本はまだ女性のパワーを十分に使いこなしきれていないようです。還暦の同窓生の女性に接してみて、家庭や家計を牛耳っているのは女性だというのをしみじみと感じ取りました。翻って我が家庭をみると、とても同類の女性とは思えない印象を抱きました。どちらが理想の女性像なのかは分かりませんが、人間は十人十色というのだけは真実のようです。