仕事が人をつくる

大学を卒業して最初に入った会社は建設会社であった。当時はオイルショック後の不況が続いており、事務職系学生の就職は求人数が少なかった。たまたま求人の掲示板で目に入ったのがその会社だったということである。あまり企業内容も詳しく調べず、勤務先は都内だろうと想像していたところ、北海道だと聞き九州出身の自分がなぜと驚いたものである。


実は就職したら結婚しようと考えていた相手(今の家内)がいたので、食べさせるためには後戻りできないと北海道行きを決心したのである。勤労学生でアルバイトばかりしてきたので就職することが普通の生活をする上でも必須でもあった。約10年近く建設会社の現場でさまざな経験をしてきたことが今日の自分を支えているが、やはり人は組織で育った経験がないと人の上に立って苦労することも理解できた。


たまたま建設会社から全く業種のことなる業界へ転職してきたが、仕事上において大切なことや仕事の進め方は業種には関係ない。どんな仕事においても初めに基本をしっかり身につけなければ、人間的にも成長が鈍化してしまうということだけは言えるようである。「鉄は熱いうちに打つしかない」と、これまで多くの社員と接してきてつくづく思う。