自責の念

多くの方も同じ経験をなされたことがあると思うが、酒の弱い私も、先日めずらしく悪酔いをして、帰宅中の電車内で気分が悪くなり座り込んでしまった。最寄り駅の到着まで、たかだか11分くらいなのに立ているのが辛くて我慢できなかった。駅に到着後もベンチでしばらく涼んで帰宅の途についた。しかし、これからが自責の念に駆られる不始末なのである。


帰宅でのいつものバスに乗り込んだのは意識していたのだが、知らぬ間にバスの中で眠り込んでしまい、最寄のバス停を3駅飛ばしたところで運転手が「お客さん!○×駅ですよ」とすっかり熟睡している私は漸く起こされた。辺りは人通りも無く、暗い道路を自宅まで引き返すことになったのだが、ちょうど関東地方への台風の接近で外は土砂降りの状態であった。


途中、どこかの軒下で雨宿りをしていたが、しばらくしても止みそうになかったので、30分くらい徒歩でバス道路を歩いて帰った。時計は夜の11時を回っていたので、妻も既に熟睡しているだろうと思っていたのに、帰宅の電話もしないので心配で寝床から玄関に飛び出して来た。それからは深夜まで(一方的な)夫婦喧嘩に至ったのである。


妻もこの日は体調が優れなかったので、さらに拍車をかけて私の不始末が輪をかけたようである。「もしバイクで襲われたり、車にはねられたりするとどうするの?!」「自分だけの事では済まないでしょう!?」と妻が言うように、私のすべての行動が自責の念に駆られて妻の一方的な怒りに返す言葉も無かった。


飲んだときは駅からタクシーで帰宅すればよかったし、乗り過ごしたらタクシーを呼べばよかったのである。ましてや土砂降りの雨の中なので、想像すればわかるはずなのであるが、酔っていたせいか、咄嗟に頭が回らなかった私自身の落ち度である。振り返ってみると過去にも同じようなことがあったので、あらためて自省したい。