もっと力強く世界へアピールできる国へ

先週末、業界の視察旅行で広島を初めて訪ねた。九州出身の私でも、恥ずかしながら広島は九州の行き帰りの通過地点で、平和記念館さえも訪ねたことがなかった。そのこともあって、今回の広島訪問は福島原発事故を契機に原発維持で国論が二分していることもあり、経営者間で原爆の知識を深める上でも必要な選択枝であった。


広島原爆投下後67年目になるが、広島市民にあたる22万人の尊い人命が、たった一発の原爆で死に至った現実をさまざまな資料で知るにつけて、あらためて平和の有り難さが胸に沁みたような気がした。GHQによる東京裁判では、戦争犯罪人として何人かの当時の為政者たちが死刑判決で裁かれたが、国民に見える形で日本政府独自で国民に対して戦争に対しての謝罪がなされた形跡は無い。


終戦後、米国政府の庇護の下、平和国家として歩んできた日本はしみじみ恵まれていた国家だったと思う。戦後は経済復興一辺倒で、急速な経済成長と共に先進国の地位を確保してきたが、バブル崩壊後失われた20年を未だに脱しきれない国家となってしまった。金融ビッグバンとともに産業構造の変革がそれに対応してきていればよかったが、残念ながら外圧なくして自らの変革をできない国と化したのではないだろうか。


意見として言わせてもらえば、もっと早くからIT先進国として、ハード中心から基盤OSを抑えて、ソフトを融合させたグローバルスタンダードの高付加価値製品をいち早く世界に広められれば良かったのだが、世界市場を制覇して行くマーケティング力が欧米先進諸国に比べて弱かったのが最大の原因であろうと思う。いろんな面で、もっと力強く世界にアピールできる国家にならなければいけない。