ナショナリズム

かつてアインシュタインが、「ナショナリズムは子どもの病気のようなものだ」と語ったそうである。確かに両国間でナショナリズムが台頭すれば摩擦が生じるのは当たり前である。さらにエスカレートすれば、止まることがない子どもの喧嘩状態になってしまうことすらある。


お互いに喧嘩腰の場合、仲裁者が互いの熱を冷ます役割を演じればいいのだが、自国の政治的、経済的問題も抱えて仲裁まで果たす心の余裕が無いのが現実であろう。かつて米大統領補佐官、国務長官まで歴任したキシンジャー氏のような隠密外交に長けたような人材は見かけない。


日本も外交力が落ちたのか、昨今の政治家に外交的な懐の浅さをどうしても感じてしまう。原因は新党ばかり誕生して、政党の議員連盟すらできないような弱体化した国会になったからであろう。選挙を前にして、国民の耳に響きのいい事ばかりを並べて、長期戦略も描けない今の政党政治にいらだっている有識者は多いと思う。


愚かな指導者ほど、ナショナリズムを煽る発言を容赦なくするので、国民は冷静に注視しなければならないと考える。