窮鳥懐に入れば猟師も殺さず

逃げ場をなくした鳥が猟師の懐に飛び込めば、猟師も不憫に思い、殺したりしないということ。様々な事情があるにせよ、困っている人に救いを求められれば、助けようとするのが人情だということ。・・・と物の本には記してある。困難に陥っても、他人に責任を転嫁しないで自分を戒め、謙虚な姿勢を貫くと周囲に通じるということだろう。


小学低学年の頃、私の祖父母も父親がつくった事業の負債のために、山林から田畑まで他人に手渡し、心ある人たちからは借金をして家屋の差し押さえを逃れたことがあった。やっと高校時代には借金は完済したように記憶している。父親との関係は薄すぎて心理は推し量れないが、祖父母は謙虚な人だったので傍で育った私は幸運であった。


他人との関係も、自らに謙虚さがないと他人の思いも通じないし、人情味のある人間になれないだろうと思う。