大量生産の落とし穴

エルピーダメモリ社が昨日倒産した。もともとNECと日立のDRAM事業を一つにし、後から三菱も加わり再スタートした会社である。未だに産業の米といわれている半導体事業は、メーカーサイドで従来から採算が悪化していた事業である。韓国にお株を奪われまいと必死に古い牙城を国自身も守ったが為の帰結かもしれない。


例えばお米でも作りすぎれば市場価格は下落し、投資も回収できなくなり借金地獄となることは農業でも同じである。半導体の米という分野を、過大な設備投資をかけて大量のシェア争いをして、日本が克てる時代ではないとも言える。家電や液晶などの市況悪化による業績割れの現状を見ても同じ轍ではないかと思う。


日本がなぜインテルのように、将来を見据えた心臓部のMPU戦略を辿れなかったのか、素人ながら残念である。やはり日本自体が基礎研究をおろそかにして、目の前の収益ばかり追い求めてきたからではないだろうか。昨日、たまたま近未来のシミュレーションということでナノテクノロジーの放送を目にした。


今後、あらゆるセンサー技術とともにRFIDの低価格化が進むとユビキタス社会が現実性を帯びてくるという話である。ここでも韓国の大学がプリントRFIDの実用化に向けての研究開発の模様が披露されていた。日本も最先端の研究を国の支援の下に必死で力を注がなければ将来の糧も見出せないだろう。