益々混迷を深めるか?

北朝鮮の最高指導者、金正日キム・ジョンイル)総書記が死去した。昨日の大ニュースはまたたく間に全世界を駆け巡ったようである。どんな独裁者も最後はあっけない死を遂げるものだあと思う。ポルポトもチャウセスクも、悪の枢軸とまでブッシュから鋭い批判を浴びたフセインそして金正日である。


ムバラクカダフィによる長期独裁政権が崩壊した後の政治的空白時に中東では政情不安が起きている。果たして当の北朝鮮という国は金正日亡き後、後継の三男・金正恩氏で今後政権を継続的に安定させることが可能であろうか。28歳という若さの上、後継者として指名されて1年余りである。父親の金正日は後継者として指名されて20年で金日成の死後を継いだ。


隣国の韓国にしても今後の展開がまったく読めないだろう。6カ国協議の再開も不透明で各国とも対応に苦慮することだろう。長期間、後継者がなかなか決まらなかった北朝鮮の国情を考えると、国内でも主導権争いがいずれ水面下で起きてくる可能性は大である。


ちょうど戦国時代の豊臣秀吉の死去後、若き秀頼の立場をつい想像してしまったが、政権の世襲が順調に進むことが難しいように、北朝鮮上層部が余程堅固な組織体制でなければ政権運営に問題がないとは考えられない。これからの北朝鮮情勢がしばらくは目が離せない状況であることに間違いは無い。