20年のつけ

日本の経済も、ちょっと前まで失われた10年と言われていたが、マイナス成長が長く続き、現在では失われた20年とまで言われている。政治家も官僚も新戦略も何ら描けずに、唯ひたすらに税収増ばかり期待しながら国民に多くのつけを回してきたようである。


財政破綻しつつあるユーロ圏のギリシア以上に、財政赤字を背負う日本の現状を招いたのは言わずもがな政治家や官僚の責任である。今に始まったわけではないが、おそらくビジネスにおける素人集団の集まりだから日本経済を立て直すという手腕を発揮できる人材が存在しないのだろう。


6重苦とも言われる日本に横たわる成長の阻害要因は、近々において余程の荒療治をしないかぎり、蓄積されて将来の若い世代につけを回すことになるであろう。先日、北欧諸国の原発廃棄物処理の模様を報道していたが、日本は完全な核処理施設させも考えないでこれまで原発建設を重ねてきて、今回の事故で悪戦苦闘しているのが現状である。


今のような政治が前進して動けないような状況であれば、政界再編して政治家が出直すしか道は無いように思う。古いしきたりにしがみつくような旧態依然の政治家を排除するには、日本を変え、新しい国づくりを示すような政策集団を国民が後押しするしかないようである。


残念だが、明治維新のような気概のある人材がいない悩ましさがあるにせよ、平成の維新を起こすような国民運動を盛り上げる集団が見られてもいいのだが、この国にはそのような活力は期待できないだろう。まだ日本人の為政者の根底には豊かさが蔓延っているのかもしれない。