二世

世の中には政治家や経営者の二世の方が数多く存在しますが、常に初心に帰って初代以上の謙虚さが必要だと思われます。しかし人の心は変えられないもので、初代が築いた地盤、看板、鞄を我が物と取り違えてしまう人が多いのではないでしょうか。上場企業でも世間では考えられないような権限の濫用が枚挙にたえないようです。

日本の首相も野田首相が近年ではじめて二世議員でない首相の登場だということがあまり知られていませんが、日本の政治家も家業だといわれるほど歴史的に見ても能力的にレベルダウンしているのが現状のように思われます。
中には二世経営者として創業時から続いていた会社の形態を生まれ変わらせた人もいますが、親の築いた財産を遊行費に使ったりして食い物にしているトンでもない例も見られます。

いくら会社は立派でも、主がそのような振る舞いでは市場から信任を得ることはできません。武田信玄が「人は石垣」と部下を賞賛した言葉は有名ですが、城(会社)も主が磨かれれば磨かれるほど石垣(組織)は強固となります。徳川家康にしても松下幸之助にしても初代の創業者として卓越した人格が備わっていたから慕われたのです。

世の中の二世と呼ばれる人たちは、そのことを充分理解したうえで先祖に感謝する心がけを決して忘れてはならないと思うのです。今があるのは初代のお陰だと思い続けることが、会社を発展させるためにも大事なことなのです。その気持ちが民(社員やお客様)に伝われば徳川のような長期政権も可能となるのではないでしょうか。