サンヨーブランド中国へ

先日までNHK土曜スペシャルドラマとして「神様の女房」が放送されていた。
3回シリーズだったが、昔の生活風景もあり懐かしく拝見した。
終戦時、松下も連合軍による財閥解体の危機に面したが、財閥ではないと反旗を掲げて戦った時期もあった。
戦後のどさくさの時代に結局、創業時から協力してきた松下家と井植家は分離されることになり井植兄弟3人でサンヨー電機を立ち上げたようである。

ややおとなしい松下幸之助に対して、井植家の長男の歳男氏はなかなか鼻っぱしの強い人だったようである。私も高校を卒業して上京してきたときに、ダイエーの中内さんと松下さんは主導権争いで仲が悪かったが、スーパーダイエーには三洋電機製品は並んでいたように記憶している。我々庶民の中では三洋電機の家電は値段が安くて品質のいい物であった。大体、同じような製品でも三洋電機の製品ばかりが安アパートの家電を占めていたように思う。

そのサンヨー電機も井植家代々で経営が段々うまくいかなくなったようである。最近まで元NHKのキャスターと井植家の共同経営も見られて驚いたが、会社が巨大になれば創業家だからといってもうまく舵が取れない典型的なケースだったように思う。ダイエーしかりである。創業者がカリスマであればこそ尚更まねができないのが経営である。

パナソニックに買収されたので、残念ながら来年3月にはサンヨーの名は無くなる予定であったが、中国のハイアールがパナソニックより家電事業を買収し、ブランドも買う形になり残るようである。天国の創業者は一体どう思っているだろう、と考えたりする。私自身もかつての威光が懐かしくもあり、日本からブランドが無くなり残念でもある。