生きること

人生は二度ないのだから大事に生きなければならない。とは誰でも理解できても、今回のように自然災害によって思わぬ運命を辿らざるを得ないこともある。昨日、福島原発3キロ圏内・大熊町の住民で、妻子を今回の大津波で亡くされた青年の方の家族の捜索模様がTVに映し出されていた。残された長女は長崎の原爆病院で放射能検査の結果、大丈夫だったようであるが、「これから子どもは原発のないところで育てたい」と無念な気持ちを現しながらご本人さまは語っていた。

 警察捜査隊が放射線防護服を着て遺体捜索の結果、やっと何ヶ月も経て大勢の犠牲者の中からDNA鑑定で奥様の遺骨が発見されたようである。昨夜、帰宅早々その収録されたTVを見ながら我が家の雰囲気も急にしんみりとなった。もし自分の家族に同様のことが現象が起きたと想像すると、人ごととは思えない気の毒で可哀想な気持ちになった。今回の大震災と大津波で家族や友人が被災により引き裂かれた人たちは想像を遥かに超えるほど多い。幸せだった日々を取り返すことができない辛さは中々心の中で消し去ることができないと思う。

 しかし、辛さばかりを引きずっていても前途は明るくならないので、辛い経験をこれからの人生の糧にしてほしいと思う。いつかは必ずもっと幸せな人生が自分自身に訪れてくると信じて、天国の家族の分も背負って明日のために前進してもらいたい。生きていれば辛いこともあるが、楽しい事だってある。上ったり下ったり思わぬ変化があるので人生は生きがいもあるのではないだろうか。