お盆のつぶやき

いつもTVのドラマを録画しては週末のささやかな自らの楽しみにしている。中にはもう何年もシリーズとして観てきたが、マンネリ化した流れのストーリーの作品も多く、失礼なのでその原作者が誰かとは言えないが見飽きることも時たまである。先日観たドラマで、何度も観るほどのものではないが、ちょっと気になって削除しないで残している作品(原作者は松本清張)がある。

 夫婦に子どもはいないが、ある平和な家庭の中に起きた取り返しの付かない出来事の話である。帰宅途中にバスの中で偶然20年ぶりに昔仲の良かった女友達に出会ってから、彼女の気軽なお茶の誘いに帰宅途中でちょっと彼女の家に立ち寄ってしまうことになり、それが病みつきになってしまったのである。相手の彼女は夫に先立たれて、息子と二人暮らしであったが、おそらく彼女の質素な暮らしぶりが男心を揺さぶられたのだろうが、そのときを契機にやがては人生を踏み外してしまうというストーリーである。

 こんな話は世の中に日常茶飯事にある話だと思うのだが、私の親戚でも息子が物心つかないときに父親が亡くなったため、自分の母は父の弟と再婚して、義父も家族も本当の父親として、義父が亡くなるまで息子に本当の話をしなかったことを記憶している。娘でも同じであろうが、時によっては息子は実母が継父に取られるような嫉妬の念を子ども心に抱くようである。だから再婚は子どもにとっても中々難しいのだろうと思う。

 願わくば子どもを持ったのならば、夫婦が円満であることが子どもを育てる環境として大一番であると、大人たちは常日頃から肝に銘じなければならないのであるが、子供のことより自分のことを優先してしまう親たちが社会に少なくないのが現実であり、非常に残念なことである。子どもは大人を見る目が鋭いことを親たちは今一度理解して、いい家庭環境を作るように夫婦ともども努力をしなければならないと考える。