就活に関して

長引く不況と産業構造の変化が近年の就職状況に大きな影響を与えている。

国の主導で長期ビジョンが描かれてきていれば、これからの若者に高等教育で何を学ばせるか、どういう人材を社会に送り出すかも国家レベルで議論されて検討されるだろうが、国家の長期ビジョンを政府全体でまとめて国民に示すような手法がとられてこなかった。

たまたま昨夜、都内で現役の学生から聞いた話であるが、1月くらいからスマートフォン等により企業の説明会の予約申し込みをしているが、インターネットから検索する企業の説明会は学生間で激しい予約争奪戦だという。

ネット社会はある面便利であるが、顔の見えない、秩序も順序もない昨今の就活をしている話を聞くと、これでいいのかと思う。

経団連でも1月から企業の採用活動を行うように産業界に自粛を呼びかけたようであるが、学生はまだ3年で専門課程の勉強の最中であるのが自然だろう。本来4年になって秋口まで勉強に専念したほうが良いのである。
就職ばかり考えて早くから内定をとれば、安心して勉強する気も起きないはずである。

大企業グループを中心とする経団連が率先して、就職解禁日をかつてのように10月1日からスタートだと協定をつくれば学生も就活三昧の1年を送らずに済むのにと考える。

大企業は自社のことだけを考え、早ければ早いだけ優秀な学生を囲むことが可能であるが、内定を複数確保した学生や大多数の未内定の学生がアンバランスに行動し、就活に振り回されている昨今の実態は、真面目に勉強している学生や地方の学生にとっても気の毒である。

現在の就職状況は何かがおかしいとしか言いようがない。