「号外」

白黒テレビ時代だった子どもの頃、私も大の相撲ファンだった。もし、人並み以上の大きな体格をしていたら、相撲かプロレスをやってみたかったと、当時テレビ中継を見ながら子供心に夢思いにふけったものである。

昨日、日本相撲協会から春場所中止の報告が為され、大ニュースとなった。
長い相撲の歴史において今回の「八百長騒ぎ」は最大の汚点だと協会側も認識したようである。

たまたま某テレビ局にある相撲関係者が出演していたが、「人情相撲ありき」「相撲は神事でもある」「宗教団体と考えれば」「相撲協会は儲かっている」とか、直前の理事会開催前に様々な意見を勝手気ままに論じていたかと思うと、別の局では相当きびしい措置が必要と、春場所開催をめぐって意見が完全に二分していた。

日本相撲協会の新理事長の決断は大変なものだったと思うが、わたしは正しかったと思う。
理由は、八百長や人情相撲を暗黙に認めてしまうと必ず裏金が動き、いずれは暴力団関係者の関与を招いてしまうのである。かつて野球界ですら八百長試合を演じた元選手は野球界から永久追放された歴史がある。

青少年育成も兼ねたスポーツ競技において不正が許されるわけがないのだが、懲りない面々と呼ばれる人はいつになっても絶えない。相撲社会は違うというのであれば、堂々と隠蔽せずに明らかにすればいいのであるが、言い訳ばかりして今日に至っている。今回の新理事長の勇断に賛同し、日本相撲協会の信頼回復に期待したい。