戦いは終わった

年末に差し掛かった突如の衆議院解散で新党も準備不足だったのだろうか、結果は世論調査どおり自民党の圧勝で幕が引いた。政権は、与党内が安定していなければ政治は前へ進まないものだということを、民主党政権で我々は自らの反省と共に知った。すべて国民の選択が為した結果だから、仕切り直しをするしかないということだろう。


今回の選挙は前回選挙よりも10%以上投票率が低かったようである。自民党に風が吹いたわけではなく、民主党は政権を任せるに心配だとの国民の判断が強かったのだろうと思う。企業も同じだが、政権を担うには組織がしっかりしていないと長持ちしない。自民党は与党としての伝統と実績を多少なりとも過去から継承してきているので、その差の違いだろう。


一朝一夕に政権を担えるほど政治は容易ではないということが我々にもわかった。会社経営も同様で、長期ビジョンの下に簡単に流行風邪にぶれない姿勢が重要だと思う。仮に民主党政権と似たところがあるとすれば、会社内が一致団結することを優先しなければ業績回復には至らないということだろう。


選挙のときだけは結果で皆が一喜一憂するのだが、単なる野合で集まった政党かどうかは時間が経つと化けの皮が必ずはがれてくるのが現実である。一回、試しに政治をやらせてみようと国民の圧倒的多数で選ばれた民主党であったが、残念ながら駄目だったから次は交代してもらいたいというのが今回の選挙の結果である。


しかし、会社経営は政治家のように「申し訳ありません」と、頭を下げて交代すれば済む問題ではないので、極力喧々諤々の議論を何度も重ねて、二度と失敗しないように十分注意して、戦術は練らなければならない。政治家は責任を取ると言っても議員を引退するわけでもない。報酬を減らすことすらしないのだから甘い。