即戦力

まだ大学3年生なのに、12月から就職活動が解禁されて大学生が会社訪問に動き出している。経団連加盟の大手企業がお互いに早期内定を自粛しようと申し合わせ事項にサインして、今年の採用活動はスタートした。この数年の学生の就職内定率をみると相変わらず低迷していて、この10年間一向に改善の道を歩んでいないようである。


原因は、日本の大学のカリキュラムが世界情勢に着いていけていないような気がする。日本の競争力が10年前の1位から現在は27位と、欧米やアジア諸国と比べても後退している現実を見て、国の教育対策は取られているのだろうかと考える。グローバル経済の中で、大学卒業し企業に入社して一から教育している国など少ないのではないだろうか。


実学の必要性が叫ばれるが、専門能力を養成すべき3,4年次に就職活動にばかり精を出していれば大学生に実戦能力など身につくはずがない。一例を挙げると、情報系を専攻する学生などをみると専門能力の乏しさに呆れてしまうのが現実である。実力を身に付ける以前に、3,4年次は就職活動に振り回されているようである。


大学の数ばかり日本は増やしても、専門能力を身につける場が大学になかったら就職しても即戦力には程遠いので、海外勢に技術力で遅れをとるという結果になりかねない。もっと産業構造の変化に敏感に反応して大学も即戦力を養うような実学を施して欲しい。就職活動など4年生の秋以降で十分というのが私の意見である。