教育を受ける権利

憲法26条で「教育を受ける権利」は保障されているが、生活保護を受けている人が全国で230万人もいると聞くと、平等に教育が施されているのだろうかと危惧したくなる。かつては生活保護を受けなくても地方では自給自足でなんとか食べていけたので、僅かの足しになる現金があれば公立学校くらいは入れたような気がする。高度経済成長時代は働き手が故郷へ仕送りをしていたということもある。


今は核家族化が進み、兄弟姉妹でも独立生計を立てているために仕送りというものが存在しなくなっているので、一家の収入面が絶たれると一気に生活苦に陥り、国の生活保護制度に頼るということになるのだろうか。私自身も父親の不手際で生活保護を受けても止むを得ないほど幼少期は家計は困窮していたようだが、自給自足で何とか衣食住が事足りたので、何とか通学できる範囲内の高校も出ることができた。


当然、大学進学など独力で行かざるを得なかったので、上京して新聞奨学生となり、国や新聞社の奨学金のお蔭で無事に大学も卒業させてもらったので感謝感激である。生活は第一だが、大学進学するための教育などほとんど自力でやったような気がする。自分より大先輩の方はもちろんもっと苦労されたことだろうが、経済面では何とかなさったのだろうと思う。大事なことは、一家の大黒柱が簡単に生活保護を受けないことではないだろうか。


生活保護も本来は現物支給がいいと思うのである。ちょっと欲しいものが買いたいのであれば、僅かでも働いて現金収入で求めるとか、どうしても身体が不自由で働けない人なら別だが、健常者であれば国費にあまり頼らないように自立を促す意味で、国も保護をし過ぎないことが重要だという気がする。社会福祉は大事なことであるが、経済が安定しないと福祉まで削らざるを得なくなるのである。


ただ教育は国民がどんな経済環境であろうが、皆平等に高校までくらいは国の費用で出してあげるべきであろう。大学などは借り入れ制度を充実させれば、勉学心があれば誰でも進学は可能であろう。言いたかったことは、生活保護の家庭であったとしても、教育の受ける権利だけは平等に差別なく保障すべきだということである。