サンマリノ共和国

イタリア半島の中東部にある面積が61キロ平方メートルで人口3万人の、世界で最も古いサンマリノ共和国という独立国がある。たまたまTVでその国の様子を映していたので目に留めたが、驚いたのは第二次大戦中に中立国としてどこにも属さなかったために戦禍を逃れたようである。空爆から逃れて避難してきた10万人のイタリア人(サンマリノの人口の10倍)に対して食糧を分け与えたという。そのサンマリノ共和国から少し学ぶべきことがあったので紹介したい。


言葉を正確には覚えていないが非常に感心したのは、(紛争中に)相手に自分の思いを一方的に納得させることは不可能なので、静かに自分の心の中にしまっておくしかない、というサンマリノの古(いにしえ)の人々の考えであった。このことは日中・日韓関係でも言えることではないだろうか。自分たちの思いと相手の思いは根本的に違うので相手を一方的に批判しても始まらない。寧ろ将来的にどう上手く付き合っていけばいいかをお互いに対話することによって糸口を見い出す必要があるのではないかと考える。


ニュースでパレスチナ建国が国連で承認されたと知って、悲惨な長い歴史が流れたが、一度起きた紛争は中々終結に至らないということを多くの人が反省もし、深く知ったことと思う。あの第二次大戦中でも、中立の旗を揚げてひたすら平和を守ったサンマリノという共和国が存在し平和な国として今日に至っていることを、世界の国々は学ぶべきであり、わが国政府もぜひ見習って欲しいと思う。