中国とどう向き合うか?

政治外交の失態で日中関係が経済面でも懸念されているが、我々企業人は隣国中国と今後どう向き合えばいいのだろうか?と、最近になって疑心暗鬼の日本の企業人は多いことだろう。昨日、ある集まりで中国人技術者を日本で雇用している中国人経営者と話す機会があったので、率直にさまざまな質問を投げかけてみた。


どうも日本人は危機的状況にある日中関係の様子を見ているだけで、相手(中国人)と率直な意見交換を遠慮しているのではないだろうか。一経済人として私は中国の市場は見捨てるべきではないと考えている。何とか打開策をお互いに見出して、発展的に解決の道を探るしかないと思う。それほど日中関係は日本にとっても重要だと私は考える。


良識ある中国人と話せば、考えが共通する部分は多い。政治家もマスコミも極端な世論を煽るような報道が多いが、慎むべきだと思われる論調も多い。外交は、相手がどう考えているかを推し量り、国益を考えながら交渉しなければならない。火をつけたのは日本政府であり、政府が責任を持って混乱を収束しなければならないが、今の政府では難しいとも思える。


何度も政治関係が安定しないと、経済にも影響が大きいとこの欄でも何度か書いたが、懐の深い中国人脈のある政治家が政府特使として登場しないと、この両国のねじれを元に戻すのは容易なことではない。個人的な意見であるが、丹羽中国大使はかなり良識人な方だと評価している。中国大使には最適な人格者だとも思うし、中国側もそう判断しているのではないだろうか。


海を隔てた日本から中国政府の考えを理解できるとは中々思えない。日本の強固な姿勢に中国側も反応しているように思えてならない。紛争当事者はお互いが譲り合わないから、平和的な解決に至らないということを良識のある国家は分かっているはずである。緊張関係はお互いの将来のためにもマイナスで、長引かせるべきものではないと思う。