瀬を踏んで淵を知る

なぜ日本の外交は拙いのだろう、と多くの国民は考えている。簡単に言うと、政治家も官僚も年季が浅いということではないだろうか。日本の政権は、10年以上もコロコロ代わり続けて安定しないし、官僚も人事異動が多くて外交の継続性が薄いのが本質的に問題のような気がする。


人間同士も付き合いが長いと相手の性格も出方も分かるので、どこまで踏み込めばいいのかお互いに理解できている。今の日中関係を見ていると、初対面同士で日常会話さえできないのが現実である。思うに、首相となる人材には外務大臣などの歴任者を当てるべきだというのが私の意見である。


民主党の代表選挙の演説会をみていると各候補者の政策に対する方向性がバラバラで、党の形態をなしていないように映るのである。おそらく解散総選挙をすれば、国民の目が如何に厳しいかが選挙結果として現れるだろう。自民党も単なる二世の若返り候補ばかりで、日本を任せるに足りるとはどうしても感じられないのが本音である。


不思議なのは、両党ともなぜもっと政治キャリアの長く、周辺国にも人脈を持つ、懐の深い人物をトップに自分たちが下から支えようとしないのか不思議である。だから川が浅いか深いか分からずに(瀬を踏んで淵を知る知恵がない)渡るから溺れる(纏められない)のではないだろうか。