人寄せ”塔”

先日、天草から友人が上京してきた。4年に一度開催している同窓会のイベントを、今回は高校時代の修学旅行を再現しようと構想している。幹事も大変なので旅行会社に依頼すれば簡単なのだろうが、手作りの旅行にしたいということで、同級生を代表して時間とお金がある人ということで彼ひとりが選ばれたらしく、下見を兼ねてあちこち回ってきたようである。


土曜日に浅草で待ち合わせて、私も宿泊とともに見物に付き合わされた。ちょうどスカイツリーを目の前にしたホテルで、夜は宴会場を探して食事、翌朝は一番にスカイツリー見物となったのだが、人混みの多いのには予想はしていたがあまりの多さに驚いてしまった。


九州へ行くと中国や韓国から来た旅行者が多くて、高度経済成長している国の迫力というものを見せ付けられてしまうが、東京でしかもスカイツリーとなると日本人ばかりのようである。やや遠方だからなのかは分からないが、周辺のアジア諸国の観光客にはスカイツリーのように単なる高い建物は魅力的に感じられないのだろうか。


考えてみれば、私自身も友達の付き合い事があったので、浅草までわざわざ来てスカイツリーを見物することになったのである。もし今回来ていなければ、映し出されるテレビを見て終わったのかもしれない。朝の早い時間帯にも関わらず、大勢の人がエレベーターに乗るため長い列をつくって並んでいた。


昼食をして引き上げる頃には、更に怒涛の如く人の洪水となった。景気がいいのか分からないが、スカイツリー現象で落ちるお金は相当なものだと明らかに感じた一日だった。おそらく当分の間は、近場からも全国からも大勢の人々がスカイツリーを見に集まってくることだろうと予想します。