三高より三平!?

バブル時代を経験していない今の少年少女たちは、案外、異性を冷静に見ているようである。つまり高学歴、高収入の異性を無理に求めないらしい。理由の一つには、男女とも働き続ける時代だとお互いに認識しているようである。ちなみに三平というのは、①平凡な見た目②平均的な年収(300〜500万)③平穏な性格、とTVで街頭インタビューの模様を伝えていた。


一方、日産自動車のゴーン社長の年収は日本企業ではトップで10億円を越えるらしいが、慶応大学の学生を前にした講演で学生から高額の年収に対して、グローバル企業としての報酬としては決して高くないと明確に根拠を述べて説明したそうである。今の日産自動車が復活したのも、ゴーン改革の成果であることには誰も異論はないが、日本人としては違和感が無いともいえないような気がする。


日本の高度経済成長時代に働き手として活躍してきた世代から見ると、今の若者は欲望が無さ過ぎる感を抱くだろうが、豊かさを求めて家族を犠牲にして働いてきた人生だったことも決して否定できない。今の日本も、どちらかと言えばアメリカ社会のように、日本古来の中流社会が抜けて、上流と下流社会の二極化社会へ進んできたように思える。


理想を言っても仕方が無いが、かつての日本は中流社会と言われて、家計も男性の稼ぎで何とかやり繰りができて、家庭における男女の役割はそれぞれ自覚の上で成り立っていたように思う。相互扶助の社会を作り上げていけば、低成長経済の現代でももっと豊かな社会の実現ができると思う。


すべて米国偏重が必ずしも良いとはいえないので、日本人らしさを失わず、北欧諸国などを参考にした家族を大事にする社会作りを目指すべきであろう。自助努力の社会もある程度までは必要であるが、相互扶助の精神が重要だと思う。日本で生活する高所得者は、少なくとも納税という手段で日本の社会を救うべきである。