連敗を断ち切る

先日の男子バレーチームがオリンピック出場を果たせなかった原因を独断と偏見で考えてみたい。1972年のミュンヘンオリンピックで金メダルを獲得した日本チームが、どうしてここまで凋落したのであろうか。それは高度経済成長路線から外れて行った日本経済の趨勢にも関係しているようである。


原因の一つは、大勝した後の惨敗が多いことを考えると、勝利の自信に驕る気持ちに油断が生じているようにも見える。「高名の木登り」でも「最後は心して下りよ」というほど、一切の驕りを持ってはならないのである。「勝って兜の緒を締めよ」と言うではないか。


原因の二つには、連敗が続くことが多いということを考えると、「自分たちには適わない」と負け犬根性になってしまっているのではないだろうか。誰かが言っていたが、日本チームには強い精神的な支柱の存在がないような気がする。現監督の選手時代の能力は秀でているのかもしれないが、松平元監督ほどのカリスマ性は感じられないようである。


男子チームと女子チームではコントロール手法は違うと判断できるので、男子チームは、もっと強烈な親分的な監督でなければ弱音を吐いてしまい、日本チームの特色である連携力を存分に生かせないと思うのである。まだまだ日本人の体格を外国人と比較すると見劣りがしてしまう。最初から迫力で負けているような気がする。


原因の三つ目は、バレーで食べていけないので、がむしゃらなハングリー精神が育たないということが考えられる。バレーでも強くするためには、プロ化を推し進めて、一流選手たちが一生バレーで食べていける環境を作り上げることである。時間も掛かるだろうが、仕事として食うためのハングリー精神がなければ強くなれないと思う。


関係者の方には是非、日本を元気付けるためにプロの仕組みを作り上げてくれることを期待している。小さな企業でも集まれば体外的に宣伝にもなるだろう。日本の産業界も新たな時代に向けて、小さな巨人の誕生を歓迎しなければならない時代のような気がする。