体験と経験

世の中には「食わず嫌い」という言葉があります。フグの肝を賞味したくて、食べて命を落とした有名人も過去にはいますが、命に関わらなければ、なるべく若いうちに何でも体験してみたほうがいいと思います。私自身、6歳頃から田舎で育ちましたが、幼少時から周囲の多くの大人の方(誰とでも)と自ら一方的に話かけをしていました。今日、初対面の方と会って話す感覚はおそらく幼いときに習慣として身についたのだと思います。


生来田舎者なので、恥ずかしがりやの性格なので都会暮らしの人に比べて集団に溶け込むことも遠慮がちになりますが、相手の人と1対1になれば会話は自然に進展していきますので苦手意識は生じません。この習慣は幼い頃から成人まで変わりませんでしたので、実社会に入ってもそうして育った体験が経験として生かされてきたような気がします。


今の業界に参加したのも30歳半ばで、それから人脈の形成を始めましたので遅すぎたのですが、人並み以上に人脈形成はできたのではないかと思っています。できれば20代中頃から30代半ばまでに人脈は形成しておいたほうがその後のためになります。30代後半から40代にかけては、それまでの体験としての人脈を基礎にして新たな経験を踏むべきです。


残念ながら今の世の中では、幼少時に親子の会話以外に体験をしない子どもたちばかりなので、大人に自分から積極的に話しかける子どもはなかなか見られないようです。内向的に自分を包み込んで悩んでしまうのも、年長者や多くの人と話す生活環境を、幼き子どもの頃から大人社会が与えてこなかったからではないでしょうか。