私見をお聴きください

最近思うことは自分の意思で自分の道を切り開いていこうという考えの備わっていない人が多いように思う。その面での人的格差も広がるばかりで、遂には行き着いた先が犯罪に走ったり、自殺行為に及んだりするのかもしれない。昨日、新たな手口でのオレオレ詐欺を取り締まる警察グループの存在がテレビに映し出されていたが、なぜこんな犯罪に走る人間が増えるのか、同じ日本人として信じられない気がする。


日本も先進国でありながら、経済的成果の果実を日本経済不振の中で得ている人は年々少なくなってきているのであろう。昨日、嘘の話を取り上げてみたが、嘘がすべて悪いと言ったわけではない。悪意のある人を騙すための嘘が許せないということを話したつもりである。昔の人は「嘘は泥棒の始まり」だと子どもたちに教えてきた。むしろ「騙すことは泥棒の始まり」と現代では子どもに教えたほうがいい。


なぜこのような人間が社会に蔓延るようになったのだろうか。一つには仕事で収入を得る人や生計を賄うための仕事が減ってきたからではないだろうか。二つには核家族化が広まり、併せて空洞化による大量の失業者が内在してきたからであろう。政治用語で地方分権とは力説されながらも、地方の過疎化には歯止めが利かないのが現状である。私も故郷が田舎なので時々墓参りのために帰省することがあるが、地方では家業さえ継ぐ若者はいない。


どこかの政権で「100年安心の年金」だと公言されたことがあったが、老後の年金さえ安心して保障されれば、老後の第二の人生を田舎で暮らそうという日本人は多いと思う。イタリアの小さな村という番組を毎回観続けているが、故郷を守る若者たちが生活さえ出来れば、年金生活のお年寄りによって子育ても充実できるのに、と思う次第である。豊かな自然と人間に恵まれた環境を子どもに与えるような政治を目指してほしい。


少なくとも私たちが育った時代には今のような犯罪は皆無であった。この世の中、何かがおかしいと思ったほうがいい。教育の抜本的な改革も簡単には出来ないし、課題が山積しており、どこから手をつければいいのかわからないと為政者自身にも自信が無いのだろうか、国民には国家のビジョンが見えてこない。