石橋を叩いて渡る

我が家においては配偶者が「石橋を叩いて渡る」タイプなので、私のような考えずに突っ走っていくタイプにはブレーキとなって急に制動が働く場合がある。運転手にしてみれば助手席でうるさく言われると、運転の集中力が欠けたりしかねないので静かに乗車していてほしいのだが、相手はこちらが思うようには変わらない。


昨日、岡山県の倉敷で起きた海底トンネル建設事故のニュースを聞いて、なぜボーリングなど地質検査を事前に充分にせず掘削工事を進めたのか、素人にも理解できない建設プロの非常識である。大事故が起きてはじめて関係者が必死に事故対策に努めようとするのが現代の企業社会の構図のようである。


用心の上、用心を重ねることは難しいことではない。後で取り返しのつかない事態を事前に想像し、周知することが如何に大事であるかを思い知らされた。企業社会でも時代の変化とともにさまざまな市場環境に適応していかなければ経営は成り立たない。小さなミスでも無視をすると大変な結果を生むことにもなりかねない。


家族も夫婦関係も同様で、ちょっとしたお互いのミスマッチで幸せな形を壊してしまうこともあるのである。仕事でも大事なことは自己判断をしないことである。責任は個人の次元を超えるということを常に認識して、事を進める前に周囲から上層部への相談を繰り返さなければならない。


物事の重大性を考えて、失敗は許されないことを厳しく認識しなければ過ちを繰り返すことになるだろう。私自身も配偶者の「石橋を叩いて渡る」性格に長年付き合ってきたからなのか、何とか無事で今日まで生きているような気がする。自分と対照的な意見には特に耳を傾ける必要があると思う。