台湾総統選挙結果に思う

台湾の総統選挙の行方が気になっていたが、国民党の馬候補の勝利でほっと安心した日本人も多いのではないだろうか。対岸の火事と無視できないのがアジアの周辺国の動きである。かと言って民進党が勝てば台中関係に緊張が走りかねないので、東シナ海でも安定が損なわれる可能性もある。


今回の選挙で見えたことは、台湾人が依然、独立を希望しているということと、現状の経済関係を維持するために中台融和を今後も続けたいという台湾人の変わらない姿勢である。日本人としては台湾に独立してほしいのだが、中国政府は防衛上、台湾の独立を認めたがらないという現実がある。


中国の軍事力の脅威はアジア周辺国にとり将来の心配の種でもある。台湾の存在はアジアの安全保障上も重要だと考えられる。米国が台湾を支援するのも中国の軍事力に対する見えない牽制でもある。日本も台湾とは経済的にも関係が深いし、中国の防波堤として存在してくれることを期待している。


日本周辺は北方領土から尖閣列島問題まで未解決な課題が山積しており、政治的な変化は見過ごせない状況である。日本の内閣改造も国内政治にとどまらず国際政治的にも影響するので、政治が信頼を得て安定することが外交的にも非常に重要であることを認識しなければならない。