年末に際して

今年も愈々本日28日、納会の日を迎えます。本当に、今年は例年になく、さまざまな事象が起きた慌しい1年だったように思います。大洪水、大震災、原発事故等において被災された皆さんへあたらめて心からお見舞い申し上げます。日にちで言えば20年前の1989年12月29日、日本中はバブル景気に煽られ東証ダウは空前の38,915円をつけました。一部の投資家は50,000円も夢ではないと囃し立てていました。


その後の不動産投資への総量規制で日銀は金融の引き締めを実行し、国はバブルを食い止めようと施策を打ったのです。その後は株価が急降下して、底値を知らずバブル崩壊へ突き進んで行ったのです。それから20年、今日の2011年12月28日においては株価もバブル当時の3分の1というように、日本経済は長年低迷を続けてきました。そこに今回の大災害や超円高が襲ってきたので本来大ピンチなのですが、日本の産業界は粘り強く果敢に先手を打って国難を凌いできています。


来年はヨーロッパも最悪の財政状況から脱出して経済が動き出し、アメリカも景気が上向いてくればドル高になり、日本の経済にもプラス要因として働くであろうと思います。今年は最悪の条件が重なりすぎた年でありましたが、来年はこの困難がバネとなり、世界経済が順調なシナリオで上向くことを期待するばかりです。ヨーロッパの財政危機でアジアの輸出も不調でしたが、来年は回復の足取りとなるでしょう。


円高も急速には変わらないと思いますので、グローバル企業の海外移転は益々加速するでしょう。国内は既存の市場は伸びないので、雇用を確保するためにも新市場を形成して内需を盛り上げるしかないと思います。今後、日本経済を安定的に成長させるには、日本の輸出産業が外需を積極的に開拓するしかないでしょう。中小企業も海外と国内市場の変化をよく見て、自社の強みを生かした新製品サービスの開発にチャレンジして新しい需要をつくり出していかなければなりません。


辰年の来年を飛躍の年と捉えて、皆様方のご健康と益々のご発展を共に心からお祈りしたいと思います。
では、どうか良い年をお迎えください。本年はこれにて失礼致します。