閉鎖性

「臭いものに蓋をする」習慣が大企業で日常的に行われても誰も指摘できなかったのだろう。某精密光学機械メーカーの不祥事が漸く明るみに出たようである。外国人社長が就任後、不明朗な多額の買収謝礼金の内部処理に不信感を抱いて責任を追及したところ2週間で社長を解任されたらしい。


外人元社長の言い分は第三者から見れば何ら問題ないように見えるが、経営陣にとっては資金支出の問題をぶり返されることが役員会としても煙たい存在だと考えられたのであろう。なぜ日本人の経営者は臭いものに蓋をしようとするのだろう。株主の信任を得た経営陣とはとても思えないような行為である。


如何に上場している国際的な立派な企業でも、経営陣のメンバーがこの有様では企業や真面目に働く社員がかわいそうである。企業の「コンプライアンス」が重要と叫ばれている世の中にあって、背任行為のような不明朗な多額の資金支出や粉飾決算がまかり通るはずが無い。


おそらく今回のケースは株主に対する背任行為にあたるので株主代表訴訟に発展することだろう。大企業の経営者が本当にその企業の経営陣として的確なのかは株主にはなかなかわかりにくい。だから背任行為は重く罰せられて当然と言える。


テーマは閉鎖性としたが、日本の企業の中には政治と同じように閉鎖的なところが隠れているのかもしれない。反面教師にしなければ、このような問題は今後も続く可能性があり、撲滅する覚悟で裁かれなければ国際的にも不信感を買うであろう。