次世代航空機の示すもの

昨日、ANAのボーイング787旅客機が日本にも就航したニュースが流れた。併せて世界の空で戦うボーイングエアバス社の取材模様も拝見したが、新型航空機の素材の35%は日本製で、次世代省エネ軽量航空機の素材から部品は日本製が多いと聞く。ボーイング社も米国での航空機製造を続けてきたようであるが、エアバス社は早くから技術移管して中国工場で航空機を組み立てているようである。ボーイング社に中国進出に対して現在、様子見の状況である。

考えるに日本も、部品数3万点の自動車にくらべて部品数300万点といわれる付加価値のある航空機などの自国生産を国内産業としてもっと早くから育てるべきだったのではないだろうか。いくら部品を大量に生産しても工場が海外に移転してしまえば国内の雇用も奪われてしまう。家電と同様に自動車も近年中に海外生産へ依存することになるだろう。円高や輸送コスト、人件費を考えれば民間企業が海外生産にシフトするのは至極当然である。

これからの日本は新興国で生産が不可能な高度なノウハウを活かしたものづくりを進めるべきである。そのためには国が国家戦略ビジョンを示して、産学官の連携で国民に見える形で将来の人材育成に取り組むべきであろう。航空機もそうだが、そろそろ有名無実化した武器輸出3原則なども時代に適応した法律に見直して防衛産業や医療機器など技術の集積した分野に国は思い切って力を入れるべきではないだろうか。