センチとミリの話

二十代の頃に土木建設業界に一時在籍していましたが、ゼネコンの建築屋さんとの付き合いも随分あって、ミリの世界とセンチの世界の違いに仕事の中で気づくことが多々ありました。

土木の世界では掘削や路盤形成においてミリ単位で計測することは多くありませんでしたが、建築の構造物をつくるにはミリ単位の計測が欠かせません。

スカイツリーのような建築にしても、仮に平地で1ミリの誤差であっても上へ伸びればセンチ単位で建物が傾くことにもなりかねないので、精密さが要求されます。

また土木工事は公共性のものが多いので、積算された通りに工程が進めば採算を取りやすいのですが、建築工事は民間性のものが多く、競争入札では赤字でも受注することが多いのが実態です。

しかし、建築の現場事務所では工夫に工夫を重ねて、赤字を黒字にもっていく努力が着工後になされて、不思議なことに何とか黒字が実現されていきます。

歴史のある建設業界の施工管理技術のモデルを、我がソフトウエア業界もしっかり学んだ方がよいと思います。