政治に先見性が必要

10年ちょっと前の話だが、今は亡き政治家で首相まで登り詰めた自民党最大派閥の長で閣僚だった方が、ある業界の集まりに招かれた挨拶の中で、「パチンコ業界と売上高で比較してまだまだだと」と語られたのを今だに覚えている。

日本がバブル経済で低迷していた時期にようやく景気の明かりが見えてきた頃のことである。

その時の印象は、こんな方が大多数を占める政治に、当時は経済大国でも日本の将来は期待できないと強く感じた。

政治献金に頼っている族議員が政治を仕切ってきた時代なので、簡単な話、将来性より政治献金の少ない業界はあまり注目されなかった。

現在は政治家の意識も少しは変わりつつあるが、日本という国は事を起こすのが、長い間政治主導で行われてこなかったので遅い。

理由は今も批判されていることだが、政治に先見性が欠けているからで、世界第二位の経済大国であるにもかかわらず、国民各層に将来展望の安心感が広がらないのである。