吉田松陰の名言

<教えるの語源は「愛しむ」。 誰にも得手不手がある、 絶対に人を見捨てるようなことをしてはいけない>


昨日、テレビで吉田松陰を論じる番組を観た。好きな民放の歴史物番組のひとつである。普段はNHKで主に放送する歴史物の番組を観ることが多い。上記は吉田松陰の名言のひとつであるが、松下村塾の教え方は、現代でいうハーバード大のサンデル教授の教え方にそっくりだそうである。


老中暗殺計画を企てたということで若くして斬首となった人物であるが、今の教育界はもっと吉田松陰に学んだほうがいいと思う。人材を育てようと思ったら、教壇の上から一方的に語るだけでは駄目だからである。特に今の若者は小学校時代から一方的な詰め込み教育を受けてきているので、自分で考えて自分から発信することが育まれていない。


松蔭は対等な立場で、自分から先に解答を教えることはしなかった。自分の考えはしまっておいて、塾生に質問して自分の頭で考えさせることをした。間違った考えをしている塾生にも、対等に議論しトコトン突き詰めて対立した考えを納得させたようである。


大事なことは、様々な議論を通して結論に結びつけることである。お互いに批判ばかりしていても、いつまで経っても埒は明かない。外交も企業におけるリーダーシップと同じで、リーダーが相手の意見を良く聴き、落としどころを探りよりよい結論に導くことではないだろうか。


吉田松陰も、ちょっと極端に真面目で猪突猛進型の面もあったので、藩や幕府側では厄介な存在だったのかもしれない。現代社会でもこのような人材を潰さないで、生かすことが大切ではないだろうか。サンデル教授の講義は何度も見たが、日本人の祖先にも吉田松陰のような大人物がいるのだから、今の日本人は学ぶべきだと思う。