就職事情

最近、就職活動中の大学生やインターンシップの学生と会うと、なぜか日本の将来は暗いという言葉を耳にする。マスコミの報道が暗い話ばかりだからだろう。毎回、日本は豊かで将来が暗い国ではないと、学生が来社するたびに同じような話を聞かせている。学生時代に世の中がすさんで見えるのは、今も昔も変わらないと思う。


話を聞いて驚くのは、インターンシップの参加学生まで就職のことで頭が一杯だということである。どうも枠にはまった考えや行動しかできないような若者が多いように感じる。残念なことだが、知識偏重の教育で育ってきたために自分で考えたり、自分の意見を遠慮なく、様々なテーマでなかなか話せない学生が多いようである。


大事なことは、大学教育の場で自分の専門分野を深く掘り下げて、自分の強みとして社会に出てきてほしいということである。かつては大量採用の時代で、大学を卒業するだけで大体どこかに就職はできたが、今は大量採用できる会社は世の中に少ない。仕事がないわけではないが、選んでばかりいても決まるわけではない。


これまでは大企業が大量に学生を受け入れていたが、大企業も国際化で海外進出のために外国人採用をせざるを得なくなってきた。これからは国内の個々の中小企業に就職して自分が成長するか、海外での仕事へ積極的にチャレンジするかどちらかであろう。


これからは、内向きで語学力もない学生では日本人として国際的に通用しない時代であることを、是非、若いうちから自覚してほしい。どんな仕事でもいいから、会社に身を置いて一生懸命頑張ってみることではないだろうか。私自身も若い頃、腰掛のつもりで勤めた会社で経験したことが、その後の人生で一番役に立ったと思っている。