終戦記念日追記

昨今、日本の政治は決められないと批判されるが、今に始まったことではなく日本人の気質のような気がする。240万人の尊い日本の戦没者を生んだ先の対戦後67年を経たが、未だに国家として戦争の総括が行われていない。つまり戦争責任が誰にあったのかという議論はあまり相応しくないと見ているのが実態であろう。原発事故叱りである。


ご存知のように終戦記念日は8月15日であるが、ポツダム宣言受託の法的拘束力は署名した9月2日に発効している。もし日本の外交力が、ヤルタ会談でのソ連参戦の情報を掴んで、ポツダム宣言(7月26日)が取り決められるまでに、降伏の講和を進めていれば原爆投下もシベリヤ抑留も避けられ、日本の歴史は変わっていただろうと思われる。


私見を述べさせてもらうと、大日本国憲法下では天皇に軍の統帥権があった。決断するのは天皇しかいなかったのが旧憲法の最大の欠陥だったと考える。明治から天皇制を敷いてきた、日本政治の執行責任者不在ということが政策の決断を曖昧にしてきたものと思う。


原爆投下の是非は兎も角として、本土決戦に至らなかったことが、日本国民にとっても不幸中の幸いだったともいえる。大事なことは、緊急時において責任者たる者は、情報を縦横に早く掴み、速やかに冷静な決断をすべきであるということである。占領下での制定かも知れないが、今の日本国憲法は素晴らしいところがあると思う。