企業観

寄らば大樹と、多くの日本のサラリーマンは長年にわたり安定を求めて大企業で働いてきた。若かった頃の私自身も例外ではなかった。そして子どもの親となってみても発想は変わらなかったように思う。しかし、実際に中小企業を経営してみて感じるのは、経営者が万難を排して経営を安定させさえすれば、小さい会社ほど働き甲斐のあるところはないだろう。


しかし多くの学生は、やはりブランドと安定志向を求めて難関の入社試験を突破しようとチャレンジは止まないようである。大企業も今は、安定どころか吸収合併やリストラが当たり前の時代になってきたので、生涯定年まで安定して勤められるような保証など全くないのである。


これからの時代は大企業で充分経験を積んで、30代、40代、50代の人生の節目において外の世界でも充分通用する実力を備えた人材とならなければ、大企業に残っても人員整理されて働き続けることが困難になると思う。だから中小企業がいい、と決めつけているわけでもない。


大事なことは、自分がどんな仕事をして将来のあるべき姿を描けるかどうかだと思う。同じ仕事が将来存在するとも限らないし、景気の変動はつきものなので、企業の業績は良かったり悪かったりというのが普通である。5年10年単位で、これからの日本企業の行方も大きく変わっていくだろうと、企業関係者の誰もが考えているのが現実である。


心配し過ぎることもないと思う。全社員が一丸となって纏まり、時代の変化を厭わないで新しい市場にも積極的にチャレンジしていける企業が、規模の大小に関わらず将来にわたり生き残り続けるだろうということである。そんな企業を地道に努力して目指していきたいと思う。