映画「めし」

先日、昭和26年に封切りの成瀬巳喜男監督作品「めし」という映画を観た。

林芙美子の原作であるが、恋愛結婚した夫婦の平凡なサラリーマン生活が巧みに描かれていて、ほっとするような内容の作品であった。

かつてテレビもない時代に、わたしの祖父も夜になると適度のアルコールが入って、同じように短い単語を祖母に毎日繰り返していた。

祖母も「めし」「ふとん」の単語のみで道具のように口で使われることに、時々ぶつぶつ言いながら動いていた。

そんな平凡な夫婦の光景こそが一番幸せなのだと、原作者の林芙美子も書き記していた。


但し、残念ながらモノクロで音声もあまり良いとは言えない古い映画だが、傑作なので現代人にもぜひお勧めしたい。